耳管狭窄症とは
耳管が常に閉塞してしまっている状態で、あくびをする、物を飲み込むなどの嚥下をしても閉じたままになっています。乳幼児と高齢者に起こりやすい症状と言われています。
発症の原因については病気や老化現象によるものとされ、病気の場合は風邪などの急性上気道炎による耳管の炎症、鼻炎や副鼻腔炎、アデノイド増殖症、上咽頭腫瘍といったことが挙げられます。このほか口蓋裂や頭蓋骨格が未成熟という場合、気圧の急激な変化、加齢によって引き起こされることもあります。なお耳管狭窄症を放置したままだと、滲出性中耳炎を発症することもありますので、異常に気づいたら一度受診されるようにしてください。
なお耳管狭窄症でよくみられる症状は、耳が詰まっている感じ(耳閉塞感)、自分の話し声を認識しにくい、自分の声が重なって聞こえる、呼吸音(スー、ハ― など)の聴取などです。
治療について
患者さまの症状や訴えなどから耳管狭窄症が疑われる場合、聴力検査や中耳内の空気圧を調べるティンパノメトリーなどをしていくことで、中耳の状態や聴こえ具合などを確認していきます。
原因疾患がはっきりしている場合は、それに対する治療が行われます。症状が改善しないという場合は、耳管通気(細い管を鼻に入れ、鼻咽腔から中耳に空気を送り込むことで、塞がった耳管を広げていく)や鼓膜切開術などを行っていきます。