溶連菌とは
溶連菌とは溶結性連鎖球菌を略した呼び名で、細菌の一種です。細菌もウイルス同様に感染症の原因となる病原体のひとつです。溶連菌はαやβなどの種類があって、さらにβの中にA群、B群、C群、G群などの種類があります。その中で人間に感染して症状が現れるものは、A群β溶血性連鎖球菌が大半と言われています。
感染経路については飛沫感染や接触感染が多く、3日間程度の潜伏期間を経てから発症するようになります。主な症状は、38℃以上の高熱、のどの痛みをはじめ、頭痛や腹痛、首のリンパ節の腫れなどです。その後、首や胸付近から全身に軽度なかゆみのある赤くて細かい発疹が広がるほか、舌にブツブツした赤みのあるイチゴ舌もみられるようになります。ちなみにイチゴ舌や全身への発疹は人によっては現れないこともあります。なお同疾患は、4~15歳に発症しやすいとされ、そのピークは5~7歳とも言われています。
ちなみによく風邪と間違われやすい病気ですが、鼻水や咳は出にくいという特徴もあります。
診断・治療について
診断をつけるにあたっては、溶連菌抗原迅速キットを用いるなどして同疾患発症の有無を調べます。このほか炎症の程度を確認するための血液検査を行うこともあります。
治療については、薬物療法が中心です。主にペニシリン系の抗生物質を服用します。すぐに効果がみられるようになりますが、治ったからと止めたりせずに医師の指示に従って10日程度は飲み続けるようにしてください。また対症療法として、解熱剤や鎮痛剤といったお薬も併用することもあります。