耳垢塞栓とは
耳垢とは一般的には耳あかと呼ばれるものです。そもそも耳あかとは、外耳道の中にある耳垢腺や皮脂腺からの分泌物と表皮や埃などが混在したものです。この耳あかは、人によってドライかウェットの2種類に分けられますが、これは耳垢腺からの分泌量によって決まると言われています。つまり分泌量が少なければパサパサのドライなタイプ(乾性耳垢)に、多ければネトネトした飴(あめ)状のウェットなタイプ(湿性耳垢)になるとされ、日本人の多くはドライタイプと言われています。
耳垢塞栓とは、耳あかが外耳道で詰まってしまうことで閉塞状況となってしまい、それによって、耳が詰まる、こもるといった症状が現れます。耳あかのタイプが乾性耳垢であれば、自然と排出されることが多いのですが、ウェットタイプは外耳道内で付着しやすく、そのまま固まってしまうことがあるので、詰まりやすいという特徴があります。また綿棒や耳かきで耳あかを取っているつもりがさらに奥へと押し込んでいた、お風呂やシャワー、水泳などで外耳道に水が入ったことによって、耳あかが膨張したということがきっかけとなることもあります。ちなみに急に音が聞こえなくなったと受診した患者さまが、この耳垢塞栓だったということも少なくありません。
治療について
この場合、原因ははっきりしているので耳垢を除去することになるのですが、あまりにも外耳道で固くなっている場合は、耳垢を溶かす液体を使用してから耳垢鉗子や吸引管によって除去していきます。