舌下免疫療法(ダニアレルギー性鼻炎)とは
舌下免疫療法には、ダニが原因のアレルギー性鼻炎の患者さまを対象にした治療も行っています。同治療法を行うにあたっては、スギ花粉の舌下免疫療法と同じように血液検査を行い、患者さまにとって適切な治療となるかどうかを確認していきます。なお、ダニが原因の場合は季節に関係なく、いつの時期からでも治療を開始することができるので、検査によってダニによるアレルギー症状であることが確認されると治療の開始となります。
この場合もアレルゲン(アレルギーの原因となる物質、この場合はダニ)を含む成分の錠剤を少量から服用していき、慣れてきたら一定量のアレルゲンを含んだ錠剤を服用していきます。1日1回のペースで服用していきますが、初回の服用は重大な副作用(アナフィラキシー)を起こす可能性もありますので、院内での処方となります。治療中は月1回のペースで通院していただきます。
服用方法ですが、ダニのアレルゲンが含まれた錠剤を舌の裏に1~2分ほど置きます。その状態を保持しながら錠剤を溶かして飲み込みます。服用後、5分程度はうがいをしないようにしてください。この場合も、その患者さまにとって効果があるかどうかは1年程度かかるとされ、さらに3~5年の期間は投与する必要があります。
ちなみに服用している方すべてが完治するというわけでなく、全体の2割程度の方が完治するとされ、3割程度の方に非常に高い効果が、また3割程度の方にある程度の効果がみられると言われています。つまり治療を実践した8割程度の方に症状の改善効果が現れているということになります。
このほか服用による副作用ですが、よくみられるのが口内での腫れやかゆみ、唇の腫れ、のどの不快感、頭痛といったもので、ダニ成分が含まれた錠剤を服用するので鼻炎の症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ など)が出ることもあります。ただ、これらは治療を開始して1ヵ月の間に出やすいとされているものです。いずれにしましても異常がみられたら、すぐに医師に相談するようにしてください。